訪問診療にかかる費用について

 訪問診療では病院の入院や外来と同様、各種医療保険・労災保険・生活保護法に基づく医療扶助・公費負担医療などが適用されます。また介護保険の認定を受けている方は、居宅療養管理指導料(下記参照)が追加されます。
 処方はすべて院外処方としており、調剤費や薬剤費など薬局でお支払いいただく費用は別途必要です。ただし訪問診療と薬局での費用を合計したものが自己負担限度額を超える場合は、あとで返還請求が可能です。詳しくは高額療養費制度についてをご覧ください。お支払い額は保険の種別や年齢、所得などにより異なりますので、詳しくはお問い合わせください。

1.訪問診療料
 訪問診療料は厚生労働省により定められた公定価格であり、医療機関で決めるものではありません。以下にモデルケースとして、糖尿病や高血圧などの基礎疾患のある方に対して、自宅あるいは施設に月2回の定期訪問を行い、居宅療養管理指導料を算定した場合の費用を示します(カッコ内はがん患者さんや人工肛門、膀胱瘻、経鼻胃管、尿道カテーテル、褥瘡処置などを必要とする方の費用です)。料金はあくまでも目安であり、個々の患者さんの病状により大きく異なります。また自宅への訪問と施設への訪問では、費用が異なります。在宅酸素療法や中心静脈栄養、人工呼吸器など厚生労働省が定めた特定の管理を要する状態にある方は、各種指導管理料が加算されます。

 
2.往診料について
 往診料も厚生労働省により定められた公定価格です。1割負担の方の場合、平日の日中は794円で往診を利用できます。なお夜間や休日、深夜の往診は時間帯により別料金が加算されます。

3.医療費の自己負担割合について
 現在の医療費自己負担割合は以下の表のとおりです。

 
4.高額療養費制度について
 所得に応じて一定額以上の自己負担が免除される高額療養費制度は、年齢と所得に応じて細かく分類されています。また同一世帯の同じ医療保険に加入している方の医療費を合算できる世帯合算や、過去12か月以内に4回以上自己負担上限額に達した場合の多数回該当の適用など、医療費を軽減できる制度もあります。詳しくは厚生労働省の資料をご覧ください(https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf)。

5.居宅療養管理指導について
 居宅療養管理指導とは、通院困難で要支援・要介護の認定を受けた方に対して、心身の状態などを把握したうえで、患者さんやご家族に自宅での療養生活に対する助言や指導を行うことです。またケアマネージャーに対して、居宅サービス計画(ケアプラン)作成に必要な情報提供も行います。訪問診療において、唯一介護保険が適用される項目です。

6.お支払い方法
 毎月の訪問診療費を一括計算し、翌月中旬に請求書を郵送させていただきます。原則として毎月の口座振替でお支払いいただきますが、銀行振り込みや現金でのお支払いも可能です(振込手数料はご負担ください)。なお領収書は次月分の請求書とあわせて郵送いたします。